牧師室の窓から 2019年10月

✩9月の台風15号、10月の台風19号で多くの方々が被災され、心が痛みます。ここ数年、自然災害により国内だけでなく世界各地で甚大な被害を被っています。一ヶ月前、国連で行われた気候行動サミットでスウェーデンの16歳のグレタさんが「世界の政治家の関心はお金の話や終わりなき経済成長のおとぎ話ばかり」と語り「気候危機は子どもたちの権利の危機」と訴えたことを世界中の大人とくに政治家は真剣に、重く受けとめなければならないと思います。

✩9月29日(日)、愛媛県の保内教会の伝道礼拝を奉仕しました。保内教会の脇坂恵子牧師が32年前、下浜教会と秋田楢山教会で夏期伝道に従事しました。脇坂牧師は現住陪餐会員が10名に満たない保内教会で、30年間、「説教と聖礼典」によって教会形成に励んでおられます。このたびは町全体に6500枚のチラシを配布し、祈って備えてくださいました。いつもは10人前後で礼拝を守っておられますが、当日は28名の方が礼拝に出席されました。保内教会に関わりのある方々が九州や松山から応援にかけつけてくれました。毎週の週報に、「わたしたちの五つのつとめ 1.聖書を読む 2.おいのりをする 3.礼拝を休まない 4.けんきんする 5.お友だちをさそう」と記されています。保内教会の礼拝に出席し、教会の原点を思い起こし、襟を正されました。

✩姉が死去して5年6ヶ月目の10月14日、九州の義兄が死去しました。姉夫婦は聴覚に障害のある方々のために力を尽くしました。姉は生まれつき聴覚に障害のある子どもさんたちの「言葉の教室」に、義兄は大学で、聴覚障害児を教えることになる学生たちの教育に従事しました。また、義兄は若い頃から、金子兜太さんに師事し、俳句を作っていました。数年前に出版した句集の題名は「森のことば」でした。義兄の78年の生涯は、森の音に耳を澄まし、耳の不自由な方々の語ろうとすることに耳を傾けた生涯でした。こういう句を作っています。

・心には森のことばと風の歌   

・新緑の息吹聞こえるそこかしこ

・落ち葉飛ぶ山は無数の鈴の音  

・行き来して森の言葉が響きあう

姉夫婦が相次いで召され、息子が一人残されました。彼のこれからの歩みに主の支えをと祈るものです。

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