牧師室の窓から 2012年6月

★6月になりますと、私たちの教会が連なる日本基督教団のため思いを深くさせられます。日本基督教団は、1941年6月24日、30を超える教派の教会が「御霊のたもう一致」によって 合同して創立した教会です。戦争遂行のために政府から要請があったことは事実ですが、キリシタン弾圧が激しかったこの国に伝道を開始したとき、教派を持ち込まず、各教派が協 力して一人でも多くの人に福音を伝えようとした宣教師たちそして明治初期のキリスト者たちの祈りが結実したことも事実です。教団の原点を大切にしたいと願っています。
 今一つ忘れてならないのは、今から70年前の6月26日、日本基督教団に属するホーリネス系教会が一斉に弾圧されたことです。キリストが再臨したとき、天皇ではなく、キリ ストが「主の主、王の王」であると告白したことが治安維持法違反ということで弾圧されました。この日、ホーリネス教会はいっせいに警察の捜索を受け、牧師は検挙され、信徒は 教会への出入りを禁じられました。辻宣道牧師はその日の朝のことをこう記しています。「私がそれを経験したのは小学校六年のときでした。日本基督教団弘前住吉町教会は夜明け とともに警察に踏み込まれ、屈強な男たちがあわただしく家宅捜査をし、父は私の目の前を警官に連行されました」、と。父上の啓蔵牧師1945年1月青森刑務所で獄死されました。 辻啓蔵牧師のように弾圧で亡くなった牧師は7名おられます。私たちは毎週の礼拝で「かしこより来りて、生ける者と死ねる者とを審きたまわん」と使徒信条を告白するとき、 70年前の弾圧を忘れてはならないと思います。

★6月10日は一年に一度の子どもと大人の合同礼拝でした。子どもさんたちが何人来るか心配していましたが、13名の子どもさんたちがおいでになりました。礼拝後、二階の和室 で子どもたち、その家族、教会学校教師が軽食を共にし、交わりのときを持ちました。私たちの教会に委ねられ、託された子どもたちの健やかな歩みのために祈り続けることの大切さ を思わされた日曜日でした。

★6月17日は春の伝道礼拝でした。講師としてお迎えした左近豊先生が心を込め、説教そして講演をしてくださいました。礼拝にも午後の講演会にも、チラシを見て来られた方々、 タウンニュースを見て来られた方々、教会員が誘った方々、そして郵送されたチラシによっておいでになった方々がおられました。とくに初めておいでになった方の中に若い方が 多くおられたことに励まされました。

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