牧師室の窓から 2011年5月

 ★5月17日、恵泉女学園大学のキリスト教強調週間の礼拝で奉仕しました。 恵泉女学園は1929年、世界の平和を願い、平和を創出する女性を育成するために 河井道先生によって創設されました。そして、「聖書・キリスト教」「国際」「園芸」 を創立理念の三本柱としています。この三本柱の一つの「聖書・キリスト教」につい て理解を深めるために、毎年5月に「キリスト教強調週間」を設け、今年は学外の5 人の講師の一人として招かれ、礼拝を奉仕しました。
 二か月前の『キリスト新聞』にキリスト教学、平和学を専攻している若い研究者の 豊川愼氏が「河井道のキリスト教平和教育」という論文を発表し、感銘深く読みました。その論文で豊川氏は、1947年に制定された教育基本法制定に際し、河井道先生が、メンバーの一人として、戦後の新たな教育理念として「平和」、「正義」、「協力」、「人 格の向上」、「自他の敬愛」などの重要性について積極的に発言したこと、平和を実現 するという熱い思いを教育の力に託す背景には新渡戸稲造の影響があったこと、また、園芸教育を重視した河井先生は、平和の芽はすぐに出ないかも知れないが、平和の芽 が萌え出る希望の日を主に信頼しつつ待とうと繰り返し語っていたこと、を紹介して います。 
 この論文に励まされ、「神の与え給うた種~憎しみの種ではなく、愛の種を蒔き続け たヒロシマ・ナガサキ~」と題して説教しました。当日の礼拝には、学生、教職員が 200人余出席していました。

★水曜日午前に行われている聖書研究祈祷会①において、四年間学んだ詩編を終え、 4月から箴言の学びに入りました。3月に大地震、大津波そして原発事故を経験し、 人間の知恵の限界を覚えさせられているときだけに、「主を畏れることは知恵の初め」 という言葉に襟を正される思いです。
 今一つ、「知恵」ということでニ―バーの祈りを心深く思わされています。

   「神よ、変えることのできるものについて、
    それを変えるだけの勇気を われらに与えたまえ。
   変えることのできないものについては
     それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。
   そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
    識別する知恵を与えたまえ。」

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