牧師室の窓から 2017年12月

☆クリスマスを前に、突然アメリカの大統領が、イスラエルの首都はエルサレムだと認定し、エルサレムに大使館を置くと宣言しました。この宣言に国際社会は憂慮し、国連総会でアメリカに撤回を要求する決議案が提出され、採決の結果、賛成多数で採択されました。けれどもアメリカが、決議案に賛成した国々への財政的援助を停止することを示唆したので、欠席した国、棄権した国が50以上ありました。そして、パレスティナ各地で抗議活動が拡大し、イスラエル当局との衝突で多くの死傷者がでて、特に多くの子どもたちが犠牲になっています。こうした現状に心を痛めたローマ法王は、クリスマスメッセージで「紛争の嵐が吹き荒れている。紛争のため苦しんでいる子どもたちに思いをはせよう」と呼びかけました。

☆12月11日、ノスロで行われたノーベル平和賞受賞式で広島女学院在学中13歳のとき被爆したサーロー節子さんは、「あの日」、4歳の甥が原爆で亡くなったことにふれ、こう語りました。『ヒロシマを想い出すとき、最初に目に浮かぶのは4歳だった私の甥の姿です。小さな体は溶けて、肉の塊に変わり、見分けがつかない程でした。死によって苦しみから解放されるまで弱々しい声で水が欲しいと言い続けました。今この瞬間も、世界中で罪のない子どもたちが核兵器の脅威にさらされています。甥は私にとりまして、こうした世界の子どもたちを代表する存在となりました。』

 『自分でつくるページェント』の一節を思い起こします。「うまごやにあかちゃんがうまれた。それがほんとうのおうさまだって。じょうだんじゃない。・・おかねもへいたいももっていないだいくのこがおうさまになるなんて おかしなことをいうものだ。おじいさんは しずかにこたえた。へいたいをもたず あらそうことをおしえず かみさまをおがみ ひとをあいすることをおしえるおうさまだよ。ちからのおうさまではない。あいのおうさまだよ。ちからで ひとをおさえつけても へいわはこないのだ。」

 新しい年を迎えようとしています。紛争のため苦しんでいる子どもたちのためもっともっと祈らなければならないことを覚えます。

☆2017年の元旦は日曜日でした。大晦日も日曜日です。礼拝から始まり礼拝でしめくくる一年でした。この一年神さまをから与えられた恵みを一つずつ数えあげ、心から感謝し、新しい年2018年を迎えましょう。

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