牧師室の窓から 2016年10月

★鈴木知子さんが召されました。8年前,脳出血で倒れ,右半身麻痺となりましたが、持ち前のがんばりで、左手で多くの方にはがきを書き、パソコンで随筆を書き、ご自分でタクシーに乗って礼拝においでになっておられました。けれども、6年前脳梗塞で倒れ、こんどは意思疎通も難しくなりました。そのため、ベッドのところで、讃美歌を歌い、聖書の言葉に共に耳を傾け、祈る、そうした訪問となりました。10月8日(土)の夕方から心配な病状になりました。そのため9日(日),礼拝直後、皆さんにそのことをお伝えし、鈴木知子さんの好きな讃美歌30番を歌い、祈りました。何人かの方々は涙しつつ歌っていました。教会で讃美歌を歌い,祈っていたときに、その讃美歌の歌声に見送られるように、鈴木知子さんは御国へと召されました。すぐ数人の教会員と病院に駆けつけ、讃美歌30番を家族の方々と歌い、知子さんの額に手を置き、臨終の祈りをささげました。  「1 あさかぜしずかにふきて 小鳥もめさむるとき  きよけき朝よりきよく うかぶは神のおもい   2 ゆかしき神のおもいに とけゆくわがこころは つゆけき朝のいぶきに いきづく野べの花か 3 かがやくとこ世のあした わがたまめさむるとき この世の朝よりきよく あおぎみん神のみかお」 讃美歌30番を歌いつつ、鈴木知子さんの信仰に思いを深めたいと願っています。

★先日、沖縄の米軍北部訓練場の移設工事の抗議をしていた人たちに大阪から派遣された機動隊員が「土人」「シナ人」と罵ったこと、さらに大阪府知事が罵った警察官に「出張ご苦労さん」とツイッターに書き込んだことが報じられ,大きな衝撃を覚えました。どうして、沖縄の苦難の歴史に思いを深め、寄り添うどころか、沖縄の人々を痛め、苦しめ続けるのでしょうか。 今から50数年前、三井三池争議のとき、労働組合の組合員が警官に「犬」と罵ったことがキリスト者平和会議で問題になりました。「犬」と罵った組合員を擁護するキリスト者に、滝沢克己先生や井上良雄先生は、どんなに権力と相対するときにも、イエスさまがそうであったように、だれに対しても福音的、人格的な関わりをしなければならないことを主張されたことを思い起こします。

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