牧師室の窓から 2011年2月

★2月11日は雨でした。西湘南地区第36回思想・信教の自由を守る集会が小田原教 会で行われました。
 「建国記念の日」が2月11日に制定されたのは1967年です。 「建国記念の日」をいつにするかということで、議論になったとき、「5月3日」、「8月6日」、「8月15日」 等、いくつかの案が出されましたが、政府は最初から2月11日にこだわっていました。 歴史学者たちとともにキリスト者は、戦前、思想・信教の自由が侵され、そのことの延 長上に「戦争」へ道があったことを覚え、かつて「紀元節」として祝われた2月11日 に「建国記念の日」を制定することに反対の意志を強く表明しました。けれども反対を 押し切って2月11日に制定してしまいました。そのため、日本基督教団では、2月11 日を、『信教の自由を守る日』と位置づけ、それ以後、毎年、各地で、2月11日集会が 行われています。秋田時代は、この日の集会の責任を長年務めましたが、牧会権訴訟の 種谷俊一牧師、自衛官合祀違憲訴訟の中谷康子さん、日曜日訴訟の沢正彦牧師、そして 李仁夏先生、中平健吉先生、宮田光雄先生たちのお話しを聞き、ひとりの人のさけび・ 願いを無視し、人の心の中に土足で入り込むようなことを戦後も繰り返していることを 思わされた毎年の2月11日でした。
 西湘南地区も「36回」ということですから、大事に続けていることがわかり、うれ しく思います。今年は、フォト・ジャーナリストの桃井和馬さんが講師でした。桃井さ んは世界140か国を取材して撮った写真を紹介しながら、「憎しみを煽るのではなく、 人種や宗教を超えて手をつなぐ」ことの大切さ、「自然の中に身を置く中で、次第に私た ち人間が『生かされている』ことを感じるようになった」こと、「違いを越え、フォルダ ーを上げ、地球のために働くこと、それこそが、神さまから与えられた、生かされてい る私たち人間の使命」なのではないか、と訴えて下さいました。  制定されて四十数年たち、2月11日が「休日」として定着しているかのように思わ れますが、「心の自由」を大切にすることに思いを深める日としてこれからも、この日を 位置づけていきたい願うものです。

★2月になって寒さが到来し、雪も降りました。体調を崩しておられる方々が少なくあ りませんが、一日も早くお元気になられるようお祈りします。
 春はもうすぐです。そこまで来ています。

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