牧師 田村 博
「牧師室の窓から」 牧師 田村 博
☆2024年もあっという間に1か月を経過しました。急激な温度変化に戸惑っているのは人間ばかりではないでしょう。牧師館敷地内の「利休梅」も、20℃を越す暖かさに惑わされて何輪か白い花を咲かせています。この急激な温度変化ゆえに体調を崩している方もいらっしゃるかもしれません。かく言う私も、寝込みはしなかったものの久しぶりに風邪を引いてしまい、2月11日(日)は念のためマスク着用での講壇説教となりました。主の格別なお守りがお一人お一人の上にありますように。
☆今年は2月14日(水)から受難節(レント)に入りました。受難節は、復活日(イースター)の前の日曜日を除く40日間ですので、毎年水曜日から始まることになります。今年は復活日(イースター)が3月31日にあるため、受難節もいつもより早めです。ところで最も早い復活日は何月何日であるかご存じでしょうか。最も早いのは3月22日(日)で、最も遅いのは4月25日(日)です。これは、復活日(イースター)が「春分の日以降の満月より後にくる最初の日曜日」という定義に従って定められていることによるからで、計算式によって正確にその日を割り出すことができます。前回3月22日が復活日だったという年は1818年で、次回は2285年までありません。前回4月25日が復活日だった年は1943年で、次回は2038年だそうです。この受難節は、教派によって「復活前節」「四旬節」「大斎節」など異なる呼び名で呼ばれています。いずれにしても「主イエス・キリストが十字架の苦難に向かって歩まれたことを思い起こしつつ礼拝をささげ、日々を過ごし、洗礼志願者を覚えて執り成し祈る大切なとき」です。「レント」という言葉は、本来は単に「春」という意味でした。日が「長くなる」(lengthern)という季節そのものをさす言葉が、キリスト教と出会う中で特別な意味を付加されてきたのです。
☆3月第1金曜日は、毎年「世界祈祷日」として覚えられ、日本、世界各地で教派を超えた祈りがささげられています。この「世界祈祷日」は、1887年に米国のキリスト者の女性たちによって、移住者や抑圧されている人たちを覚えて始められました。それが二度の世界大戦を経て、世界170か国で和解と平和を求める祈りの運動に発展したのです。世界祈祷日国際委員会(WDP)という組織がカトリック、プロテスタントの壁を超えて設けられ、毎年いずれかの国や地域を選定し、式文作成を行ない、またささげられた献金を当該国・地域や、それぞれの国の内外の女性たちの働きに届けています。西湘南地区では、各地域が持ち回りで開催していますが、今年は茅ヶ崎地域が担当で、3月1日(金)に茅ヶ崎恵泉教会を会場に行なわれます。テーマは「あなたがたに勧めます。愛をもって互いに忍耐しなさい。」で、選ばれた聖書箇所はエフェソの信徒への手紙4章1~7節、「パレスチナ」を覚えて祈りがささげられます。連日ガザの映像が流れる昨今です。「愛をもって互いに」という言葉からかけ離れた状況を連想させるような映像ばかりです。しかしだからこそ、貴重な祈りの機会となるに違いありません。