牧師室の窓から 2022年7月

牧師室の窓から 2022年7月

牧師 田村 博

☆新型コロナウイルスの新規感染者数が増加しています。わたしたちは2年半前の最初の流行期から一貫して「新型コロナウイルス」と呼んでいますが、実際のところ、ウイルスの特徴は刻々と変化し、重症患者比率は減少、いわゆるカゼ症状に近いものになっています。そのような中、政府や専門家の皆さんの判断が適切になされ、医療機関を利用したくてもできないといった「人災」を引き起こすことがないようにと願っています。教会では、感染予防対策をしっかりと継続しつつ、主日礼拝・教会学校を続けてまいります。

☆6月19日(日)には、3年ぶりに「春の特別伝道礼拝」午後には「ミニ講演会」を行うことができました。午前中の礼拝は、「大自然のつながり」という説教題で、イザヤ書55章10節の「雨も雪も、ひとたび天から降れば/むなしく天に戻ることはない。それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ/種蒔く人には種を与え/食べる人には糧を与える。」という御言葉を中心に、大自然の中で生かされている「いのち」の大切さを心に刻みました。午後の「ミニ講演会」は「レイチェル・カーソンが愛した蝶」という主題で、牧師が講師というかたちで持たれました。昨年秋の特別講演会でお招きした上遠恵子さん(レイチェル・カーソン日本協会代表・田園調布教会員)によって開かれた新しい道を大切にしたいという思いから計画された今回の集会でした。多くの再来者、新来者が起こされたことは、自然環境に関する人々の関心の高さを物語っていると言ってよいでしょう。同時に、教会がこの社会で声を上げ続けてゆくためには、しっかりとした神学的体系の構築が急務であることにも気づかされました。お一人ひとりのお祈り・ご協力を感謝いたします。キリスト者の祈りは、大きな課題を前にして決して無力ではありません。継続こそ大切です。

☆1992年の教会総会において、茅ヶ崎南湖教会が宗教法人格を取得した際には、その使用している土地・建物を無償譲渡するという議決がなされていましたが、去る6月26日(日)礼拝後に行われた教会総会で、ようやく一歩踏み出すことができました。茅ヶ崎南湖教会の今後の歩みの上に主の祝福を祈ります。

☆安倍元首相銃撃事件犯とその家族をめぐって連日報道がなされています。日本社会では、残念ながら宗教団体とカルトの区別が曖昧です。カルトは、人の恐怖心とマインドコントロールを恣意的に利用し、教祖あるい教祖的存在へ絶対的に服従させ、自由意思・自己判断ができない集団を生み出します。だから「選挙応援しろ」と言われれば一糸乱れぬ応援をするのです。多くの政治家がカルトの危険性を深く認識することを願います。

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