牧師室の窓から 2020年1月

✩アフガニスタンで長年労された中村哲先生の葬儀におけるご長男の挨拶は多くの人に深い感銘を与えました。

 「最初に申し上げたいのは、父を守るために亡くなられたアフガニスタンの運転手の方、警備の方々、そして残されたご家族・ご親族の方々への哀悼とお悔やみの想いです。申し訳ない気持でいっぱいです。父ももし今この場にいたらきっとそのように想っているはずです。家族を代表し心よりお悔やみを申し上げます。・・・生前、父は山、川、植物、昆虫、動物をこの上なく愛する人でした。・・・遊びに行くときは『できればみんなで行こうよ』、『みんなで行った方が楽しいよ』ということを言っていました。みんなと楽しみたいという考えの人でした。また父がアフガニスタンへ旅立つとき、『お母さんをよろしく』『家をたのんだ』と言っていました。その言葉に、父の家族への気遣い・思いを感じていました。今、思い返すと、父自身も余裕がない時もきっとあったはずです。でも、いつも頭のどこかで家族のことを思ってくれている父でした。父の、自分のことよりも人を思う性格・どんなときも本質をみるという考えから出ていた言葉だったと思います。その言葉どおり背中でみせてくれていました。私自身父から学んだことは、家族はもちろん人の思いを大切にすること、物事において本当に必要なことを見極めること、そして必要なことは一生懸命行うということです。・・・この先、父から学んだことをいつも心に残し、生きていきたいと思います。」

 この挨拶を聞いて詠んだ歌が1月28日の朝日歌壇に掲載されていました。

「共に撃たれしアフガンびとを悼みたる家族の声のとうとかりけり」

中村先生が家族にもアフガニスタンの人にも、植物、昆虫、動物にも優しい人であったこと、物事を一生懸命行う人であったことをあらためて思わされます。

✩「牧師館ならびに集会所」の工事が順調に進み、1月31日に完成し、建築業者から引き渡されます。そのため2月2日の礼拝に引き続き、完成感謝の礼拝を行います。毎日、入れ替わり立ち替わり多くの方々がこの工事に携わってくださいました。教会では建築委員会の方々が労苦してくださいました。何度も何度も、それも長時間にわたって話し合い、施工業者と交渉を続けました。

新しい牧師館そして集会所がこの地で神さまの愛の大きさを、豊かさを、恵みの深さを証しすることを信じています。 

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