牧師室の窓から 2011年7月

★7月10日、棟居勇先生をお迎えして特別伝道礼拝を行いました。伝道礼拝では 「人は何で生きるか」という題で説教、午後は「ハンセン病は、今」と題して講演して くださいました。午前は83名、午後は57名が出席しました。 数日後、棟居先生から頂いたお便りの中にこう認められていました。  「『ああ、あのこと話しておけば—–』と思ったことは、この度の大震災に際し、 全国ハンセン病療養所入所者協議会が、被災者に『療養所をどうぞ利用してくださ い』と言ったことでした。実現するかどうかはともかく、これまで差別され、退け られてきたハンセン病の人たちが、社会に向かって門戸を開いたというところに画 期的な意味があります。社会がこれにどう応えるか、です。ハンセン病の人々がこ のように自分のほうから門戸を開いていけば、社会も心の扉を開かざるを得ない、 入っていかざるを得ない、と言っていいでしょう。」  このたびの先生のご奉仕に心より感謝し、先生からの問いかけに真摯に応えてい きたいと願います。先生ご夫妻の尊いお働きに主の支えをと祈ります。


★『教団新報』に4月から6月にかけて行われた全国の17教区の教区総会報告が 記されていましたが、わたしが心を動かされたのは沖縄教区の報告でした。大震災 二日目には救援委員会を設立し、委員一人を現地に派遣し、教区総会では、東日本 大震災救援・支援資金創設のため、教区資金のかなりの額に相当する一千万円を拠 出し「現地への派遣、被災地からの受け入れなど多岐、長期の活動に使用する」こ とを承認しました。  長年にわたって「健常者」から苦しみを余儀なくされてきたハンセン病の人々、 本土の人々から大きな苦しみを余儀なくされてきた沖縄の人々が、大震災・大津波 ・原発事故で苦しんでいる方々の苦しみ、悲しみに真っ先に心を動かし、大きな支 援


★例年にない暑さです。66年目の8月6日、9日、15日を迎えます。今年は 「ヒロシマ・ナガサキ」に「フクシマ」が加わりました。 作家の高史明さんが「今回の震災、原発事故を、人間の生きざまの原点をしっかり とらえ返す機会にしなければならない。いま生きている私たちがもういっぺん根こ そぎに問い直して、そこを出発点にしていくことが大事ではないか」(『世界8月 号』)とおっしゃっています。
この言葉を重く受けとめ8月の一日一日をと祈ります。

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