牧師室の窓から 2015年11月

★13日、フランスのパリ市内で起こった同時テロのため129名が亡くなりました。亡くなったお一人お一人のことを考えると胸が張り裂ける思いです。さらにつらいことは、報復としてフランス空軍がすぐシリア国内の犯行組織の拠点の空爆を行ったことです。そして、世界の指導者たちが、テロ行為を行った人たちを「壊滅」すると声高に語っていることです。先日、住職の篠原鋭一氏が、内戦が続いたカンボジアの難民キャンプで、長年にわたって教育支援活動に従事した経験から、「戦争による平和の実現なんてあり得ないということだ。そして戦争による勝敗はノーサイドとはならない。ともに不幸になる。」「人間の怨念を怨念で返そうとしたら、永遠にその連鎖は終わらない。根源的な部分で話し合わなければ解決しない」と主張していましたが、本当にそうです。 報復の連鎖を断ち切り、和解の道を真剣に探る、そうした政治をと願います。


★15日、東北で長年伝道された柳谷明牧師が亡くなりました。80歳でした。葬儀は、当教会の集会と重なったので、17日(火)夜、花巻教会で行われた前夜式に参列しました。柳谷明牧師は本年4月から来年の3月までの『信徒の友』の巻頭の祈りを匿名で書いておられました。激しい痛みの中で、3月までの原稿を書き上げたそうです。柳谷明牧師の遺言として、この「祈り」を祈りたいと思いました。9月号の「祈り」を紹介します。

神さま 私はこれまで「いつも若いね」「元気でいいね」と声をかけられてきました。 そして自分でもそれを誇りとするようなところがありました。   しかし思わぬ大病を患い、手術の痛みを経験し初めて人間の弱さ 限界を感じさせられました。おごっていた心が恥ずかしくなりました。 神さま 他のすべてのものが移り変っていくときにもあなたのみは決して揺らぐことのない唯一の方依り頼んで裏切られることのない方です。 それゆえ常に自分にではなく あなたにこそ信頼し、すべてを委ねて生きていけますように。

★待降節に入りました。クリスマスまでの一日一日よき備えをと祈ります。

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