★9月15日は敬老の日でした。 長年、岡山で伝道された河野進先生は詩人です。先生の詩集、『母よ、幸せにしてあげる』 に、《老人》という詩があります。
「高い山の頂上に立ち登ってきたけわしい路を
楽しそうにふりかえる老人に
出会う人が自然にほほえむあたたかい老人に
あたりに明るい雰囲気を配ってあるく老人に
黙ってすわるだけで慰められる老人に
こどもがうれしそうに寄りすがる老人に
小鳥がさえずり若葉がゆれる老人に
河野進先生が奉仕されていた教会に、この詩にうたわれているようなご高齢の方々がおら れたのでしょう。この詩を読むと、私たちの教会のご高齢のお一人お一人のお顔が思い浮か びます。ご高齢の方々お一人お一人がこれからも神様の慈しみ包まれ、御国を目指して歩ん でくださるよう祈るものです。
★リハビリのため転院された方をお訪ねするたびに、思い起こす歌があります。戦前、長島 愛生園で尽力されたクリスチャンの小川正子医師の短歌です。こういう歌です。
「葛の花咲き初む秋を山峡の みち分け分けつ病友を尋ぬる」
小川医師は徒歩で病友を訪ねたのでしょうが、小生は電車とバスで、申し訳ない思いです。
★現在は途絶えていますが、私たちの教会が、長年大切にしてきたことの一つに、ハンセン 病の療養所、全生園秋津教会との交わりがありました。その交流によって与えられた恵みを 『六十年史』に記しておられる方がいます。私たちの教会が長年、秋津教会と交流しながら 教会形成をしてきたことは、上記の小川医師の短歌の心と通じ合うものがあるのではないで しょうか。
「わたしに聞け、ヤコブの家よ イスラエルの残りの者よ、共に。
あなたたちは生まれた時から負われ 胎を出た時から担われてきた。
同じように、わたしたちは老いる日まで
白髪になるまで、背負って行こう。
わたしたちはあなたたちを造った。わたしが担い、背負い、救い出す。」 (イザヤ46:3~4)