牧師室の窓から 2022年4月

牧師 田村 博

「牧師室の窓から」                 

☆神奈川県を含む首都圏に適用されていた「新型コロナウイルスまん延防止等重点措置」が解除されましたが、なかなか新規感染者数の減少には至らず、政府も舵取り・対応判断に悩んでいる様子です。茅ヶ崎教会でも、換気を徹底したり、入り口での手の消毒などの基本的な感染対策を大切にしながら、主日礼拝および諸集会を継続してゆきたいと思います。新しい年度に入り、春になって草木の新芽が動き出すように、教会も動き出しました。4月3日(日)には、役員、教会学校教師、礼拝奏楽者の任職式が行なわれました。そして、4月17日(日)のイースター礼拝では、重田扶美子姉の洗礼式が行なわれました。重田姉の御父上は、北村扶美雄兄で1962年に召されましたが茅ヶ崎教会員でした。目には見えない主にあるつながりが、ここに永遠の命に至る実を結ぶに至ったことを心より感謝します。また、去る4月7日(木)藤本律子姉の御父上で桑名教会などで牧会にあたられた原﨑清先生が召されました。90歳でした。藤本朝巳兄・律子姉、初瀬川麻奈姉の上に、主のお慰めをお祈りいたします。

☆先日、オランダでショッキングな研究結果が発表されました。人体を流れる血液の中のマイクロプラスチックの有無を検査したところ、被検者22名のうち16名の血液中に発見されたというのです。海に廃棄されたプラスチックは、決して溶けてなくなることなく、限りなく細かく砕かれてゆきます。それらを海の生物は食べ、食物連鎖によってわたしたち人間のところまで到達するのです。「では、魚を食べなければいいのでは?」と思うかもしれませんが、実は、そういうわけにはいかないのです。人間の血管に入るほどの大きさですから、塵、埃のレベルです。わたしたちの日常生活のどこに潜んでいるかわからないのです。血管内のマイクロプラスチックが人体にどのような影響を及ぼすのかについては、まだまったくわかっていないとのこと。もともと自然界には存在せず人間が生み出した「プラスチック」です。科学技術そのものを全否定するつもりはありません。その便利さ、恩恵は大です。しかし、生み出した者としての責任があります。いらなくなった時、使い終わった時、どうすべきかという視点こそ、必要であるに違いありません。主イエスは、「聞いて悟りなさい。口に入るものは人を汚さず、口から出て来るものが人を汚すのである。」(マタイ15:10、11)とおっしゃいました。ここで、「口から出て来るもの」は、直接的には“人間の言葉や思い”を指していますが、それのみならず“人間の行ない”“人間が生み出すもの”をも含むと言えましょう。慎重かつ謙遜でありたいと思います。そして、失敗から素直に学ぶものでありたいものです。

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