牧師 田村 博
「牧師室の窓から」 牧師 田村 博
☆12月の待降節(アドベント)の日々を一歩一歩導かれ、2024年から2025年へと新たな思いをもって踏み出すことのできる幸いを感謝します。この一年を振り返ると、気候変動(地球温暖化)の著しい波の存在を、誰もが実感させられたことと思います。春と秋が極端に短くなり、急激な温度変化に体調を崩す兄姉が少なからずいらっしゃいました。温度の変化をグラフにすると、ジグザグ曲線を描くことが多いものです。新しい年は、いくぶん楽になるかもしれませんが、油断せずに備えたいと思います。
☆3年前に特別講演会の講師として茅ヶ崎教会でお話しくださった上遠恵子姉は現在94歳ですが、来る2月8日(土)に東京の日比谷図書文化館の日比谷コンベンションホール(日比谷公園内)で対談を行うことになりました。お相手は、前京都大学総長の山極壽一氏です。ゴリラの研究に長年にわたり携わってこられた山極氏は、総合地球環境学研究所 所長でもあります。最近、ご著書『スマホを捨てたい子どもたち―野生から学ぶ「未知の時代」の生き方』(2020年 ポプラ新書)という本を読みました。AI時代に生きる私たちが気づかないうちに失いつつある生物としての人間らしさ、そしてゴリラなどの生きものたちの隠された野生の力について、山極氏はゴリラ研究の見地から独特な光を当てています。対談の前には、山極氏の「ゴリラから見た地球の現状と未来」という題で講演もあります。茅ヶ崎駅から東海道本線で一本(8駅)の新橋駅から会場まで徒歩10分ほどです。94歳の上遠さんから元気と勇気をいただく機会となりましょう。
☆会堂の玄関、そして集会室の玄関に、主イエスがお生まれになったベツレヘムの家畜小屋の情景を表現した人形が、今年も飾られました。英語でクリブ(Crib)、ドイツ語でクリッペ(Krippe)といいますが、その意味は「飼い葉おけ」または「ゆりかご」です。たくさん並べられた人形たちの中心は「飼い葉おけ」なのです。教会の暦は待降節から降誕節へと進みます。クリッペを瞼に焼きつけて、心の中心に「飼い葉おけ」を置き続けたいものです。