牧師室の窓から 2020年4月

☆新型コロナウイルス感染症の影響は、わたしたちの日常生活のあらゆる領域に及んでいます。幼稚園や学校が、入学・始業式を行うことすら難しいというこの状況は、東日本大震災の際に、福島、宮城、岩手の人々が経験したことでした。その時には、多くのボランティアが起こされました。しかし、今回は、何もしないこと、じっとしていることが求められています。“不要不急のことは避けるように”と迫られているわたしたちは、“自分が今、しなければならないこととは何か”を真剣に考えるように求められています。自分と共に生きている隣人のことも十分に考慮しながら。これは大変なことです。

☆日本基督教団は、4月10日付で「新型コロナウイルス感染症に伴う注意喚起について」(第三信)を発信しています。その中で、「感染の危険が高まっている地域の教会・伝道所では、極力、教会に集わない方法で礼拝をささげることを講じてください。」と呼びかけられていると共に、「自宅礼拝をささげる人が、霊的に孤立することがないように努めてください。」と勧められています。主日に教会の扉を閉めることは、最も堅実な感染予防の方法であることは間違いありません。閉めずにこの状況を乗り越えるためには、適切な対策とお互いの細心の注意が必要です。

☆『クリスチャン新聞』(4月26日付)には、日本キングスガーデン理事長・宇都宮和子氏によるコメントが掲載されています。牧師が施設を訪れて毎朝もたれていた礼拝が同じように持てなくなったことは、高齢の利用者にとって毎日の生活リズムの崩れにつながり負担になっているそうです。館内放送による賛美、聖書朗読、祈りで何とか乗り越えようとされています。また、「外部からの面会が禁止になり、利用者が家族と会えないこと」が、利用者のみならずご家族にとって精神的な負担になっていて、毎月発行のニュースレターの重要性があらためて受けとめられているそうです。

☆「人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きる」(申命記3:8)の御言葉は、わたしたちの「命」が何によって保たれているかをズバリと教えてくれるのではないでしょうか。

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