牧師室の窓から 2016年9月

★9月19日(月)、第65回教会修養会を開催されました。わたしたちの教会は、礼拝堂を失い、会員総出で会堂建築に着手した年から、 目に見えない「まことなる教会」の形成を願って毎年秋に教会修養会を実施してきました。本年の主題は「これからの茅ヶ崎教会を考える~わたしたちは何をすべきか~」でした。 発題のとき、わたしがいつも励まされている内藤正隆先生(元、山梨英和校長)の文を紹介しました。内藤先生が大学を卒業のとき、主任教授から「内藤君、君はこれから社会に出て、 頭で行くか、腕で行くか、心で行くかどれかね!」と聞かれたとき、頭で行くにも、腕で行くにも、心で行くにも自信が無く、困り果て、しばらくためらった後、 「先生、僕は足で行こうと思います」と答えたというのです。内藤先生は、「この答えは、私の将来を決定した感があります。私はまめに足を運ばせて寂しい人、 悲しい人、よるべない人を訪ね、友となり、よきことを告ぐるものの足となりたいと今でも考えている次第であります」、と書き記しています。わたし自身、 この内藤先生の文に励まされ、足で福音を、と願っています。 パウロは教会を人間の体にたとえています。どの枝も大切です。一人一人が、自分は鼻、自分は目、自分は耳、自分は手、自分は足、自分は口、と自らの枝としての責任を果たすと共に、 他の枝の存在、働きを尊重する教会を目指したいと願っています。

★米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐって国と沖縄県が激しく対立していますが、16日(金)、福岡高裁那覇支部で、国の主張を全面的に認める判決が言い渡されました。 その判決で「辺野古の他に県内の移転先は見当たらない、普天間の被害を除去するには辺野古に基地を建設する以外にない、 埋め立てともなう環境悪化などの不利益や基地の整理縮小を求める沖縄の民意を考慮したとしても、現知事の取り消し処分は違法である」と語っています。 沖縄の人々の痛みを、問いかけを無視するかのようなこの判決に、沖縄の翁長知事は「三権分立という意味でも大きな禍根を残すのではないか」と語り、 上告しました。今、わたしたち本土の人間は「一つの肢体が悩めば、ほかの肢体もみな共に悩み」(Ⅰコリント12:26)、「だれかが弱っているのに、 わたしも弱らないでおれようか」(Ⅱコリント11:29)と言うパウロの言葉に思いを深くしなければならないことを思わされます。

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