牧師室の窓から 2013年11月

 ★わたしたちの教会の最高齢の田邉美佐子さんが11月2日(土)早朝召されました。97年2ヶ月の御生涯でした。 田邉さんのお部屋に、お仕事でイタリアに行ったときに求めた絵ハガキが入っていた額がありました。ミケランジェロが死の二日前まで彫っていた「ロンダニーニのピエタ」の絵ハガキでした。「ピエタ」というと、十字架から降ろされたイエスさまを抱き抱えるマリアが描かれますが、「ロンダニーニのピエタ」はイエスさまがマリアを背負っています。晩年になり、手も不自由になり、目も見えなくなっていたミケランジェロが、自分の人生はイエスさまに背負われた人生であったことを最後の力をふりしぼるようにして製作した作品ですが、。未完成です。田邉さんの97年の御生涯は決して平板なものではありませんでしたが、晩年の日々、「ロンダニーニのピエタ」に励まされながら、鎌倉静養館で平安に過ごされました。葬儀のとき、イザヤ書46章の「わたしはあなたたちの老いる日まで 白髪になるまで、背負って行こう」の御言葉に思いを深くしました。田邉さんの遺骨は11月23日に教会墓地に納骨するまで牧師館でお預かりしました。田邉さんとこうしたかたちで最後まで交わりを共にできたことを感謝しています。

 ★11月16日(土)と17日(日)、一関教会の伝道礼拝に奉仕しました。父が1939年~1962年の23年間奉仕した教会です。その教会の牧師館で生まれ、高等学校卒業まで過ごしました。中学3年のクリスマスに一関教会で洗礼を受けたので文字通り母教会です。 一関教会は伝道開始が1894年です。1908年には現在地505坪が与えられ、1929年に現会堂が建築されました。この会堂は、1947年と1948年二年続いての大水害に耐えて今日に至っています。2007年に文化庁から登録有形文化財に指定されました。一昨年の東日本大震災で礼拝堂の壁がかなり破損したそうですが、きれいに修復されていました。土曜日の伝道集会には、教会の保育園で一緒に過ごした何人かの人々と何十年ぶりかで再会しました。また、日曜日の礼拝と愛餐会では、現在の一関教会のメンバーと親しく交わることができ、感謝な二日間となりました。

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