牧師室の窓から 2011年9月

8月3日、木村英一兄が逝去されました。79歳でした。戦後、木下芳次牧師が全力 を傾けた少年少女部で初めて洗礼を受けたのが木村英一兄でした。1949年4月10日で した。木村兄の受洗の二カ月後、後に献身した岡崎晃牧師が受洗しました。『六十年史』 にこう記されています。「岡崎は同信会の伝道者小川禮一の三男小川信順と木村英一らと で少年少女部を指導し、次つぎとその部員を信者に導いていった。教会員は彼らに祝福 と激励を送り続けた。彼らは着実に、茅ケ崎教会の次代を継ぐ会員としての自覚と誇り をもって成長した。」そして、現在地に会堂が建築されることになったとき、コンクリー ト練りという一番重労働に従事したのは岡崎牧師と木村兄でした。岡崎牧師が『六十年 史』に「木村兄は、私たち(小川兄と私)にとって、事あるごとに異を唱える〈目の上 のたんこぶ〉のような存在であった」が「彼の存在こそが必要だった」と記していますが、木村兄が召された今、茅ケ崎教会の戦後の歩みにおいて木村兄の存在の重みを思わされ ます。悲しみ、苦しみの只中にあったとき、遠いところを自転車で訪ねてくださった木 村兄の優しさが心に刻まれている、とおっしゃる方は少なくありません。燁子姉をはじ めご遺族に主の慰めと平安を祈ります。

★9月19日(月)は第60回教会修養会でした。礼拝堂を不二寮に移し、新会堂建築計画 の審議を始めた1951年9月24日に第1回教会修養会が不二寮で開催され、出席は40 名でした。献堂式が行われた1964年を除き、毎年実施しています。本年は、今年度の 教会の主題の「一人一人が教会の大切な枝」を主題とし、出席は46名でした。午前は 講演と永田光一郎兄の証し、午後は分団の話し合いでした。講演で、三浦淑姉の母上三 浦イシ姉の信仰を紹介しました。小生が、秋田楢山教会に赴任した1974年の8月に逝 去されました。イシ姉は、晩年、寝たきりになってから自宅で洗礼を受けたのですが、 洗礼式のとき、牧師が「教会員としてふさわしい生活をし、教会員の責務を果たす事を 志しますか」と質問したとき、イシ姉は寝たきりの自分にどうしてそういうことを問う のかと尋ねました。牧師から病床にあっても出来ることを示されたイシ姉は「及ばずな がらさせて頂きます」とお答えになりました。洗礼式が行われたお家は秋田から茅ケ崎 に移築され、そのお家で、今年も分団の話し合いが行われました。私たち一人一人も弱さ、欠けのあるものですが、神さまのあふれるばかりの恵みに感謝し、及ばずながら神さま の恵みにお応えする教会生活をと願うものです。

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