2017年 5月

2017年 4月 会堂の花

☆今国会で「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が審議されています。19日に衆議院法務委員会で強行採決され、23日に衆議院本会議で可決されました。これから参議院でどういう審議が行われるのでしょうか。
 この法案のことで、戦前、戦中に「心の自由」を脅かしていた「治安維持法」を思い起こします。戦時中、父は岩手県の小さな町の教会の牧師でしたが、教会の隣の貸家二件はいつも警察が借り、牧師の行動ならびに牧師館の客の出入りをすべてチエックしました。礼拝にも隣家に住む警察官が出席することがあり、説教中メモをとっていたそうです。そして宣教師と交流があった父は家宅捜査を受けました。父はそれ以来、日記をつけることを止めてしまいました。日記に教会員の名前が記されていると、その教会員に迷惑がかかるからです。また、説教原稿は礼拝が終わるとすぐ牧師館の薪ストーブで燃やしました。そのため、40数年牧師をした父の説教原稿はほとんど残っていません。その父が、隠退直前に『天童教会百年史巻頭言』に「過去の歩みにおいて祖国日本が戦争その他の罪を犯してきた時に、聖書の信仰に立ち大胆に否と言えず、ともにその罪に陥り『見張り』の使命を果たし得なかったことを、ここにあらためて神に懺悔しなければならない」と記しました。あの時代の責任は教会にもあったというのです。

☆わたしたちの教会が連なる日本基督教団は成立して本年624日で76年になりますが、悲しい、つらい出来事の一つに75年前の626日の教団内のホーリネス系教会への一斉弾圧があります。拘引された教職者は131名、275の教会が閉鎖、解散を命じられ獄死した教職も7名いました。キリスト再臨の教えが天皇の統治権を否定する危険思想と見なされたのです。今から34年前に『ホーリネス・バンドの歴史』という800頁に及ぶ書を、ホーリネス・バンド弾圧史刊行会が出版しました。その書の最後に、編纂責任者の山崎鷲夫先生は、「治安維持法が悪法である理由は、神を畏れないで、天皇を神であると規定したことにある。・・・本書は、この悪法の本質を暴露するものである。この出版をもって、悪法『治安維持法』に対する葬送の辞としたい」と書いておられますが、この書の出版から34年目、「治安維持法」が再び脚光を浴びようとしているわたしたちの国の現状に心が痛み、責任を痛感します。