***牧師室の窓から***
2013年 2月



★レントに入って最初の土曜日、湘南キリスト教墓苑に納骨されている方のお骨を移 骨するため、墓苑に行きました。寒い日でしたが、墓苑の広場は風もなく暖かでした。帰りがけに、墓苑にオオイヌフグリが咲いているのを見つけ、うれしくなりました。 オオイヌフグリは日当たりのよい道端や畦道などで春先に咲く青い小さな花です。明 治の初めにヨーロッパから入り、日本になじんだ花です。この花の学名にはヴェロニ カという名がついています。ヴェロニカは、十字架を担いで喘ぎ喘ぎゴルゴタの丘を 登るイエスさまの血と汗にまみれた顔を布で拭って差し上げたとされる伝説の女性の 名です。彼女が布でぬぐったところ、その布にイエスさまの顔が映し出されたという のです。

 ジョルジュ・ルオーに「ヴェロニカ」という作品があります。第二次世界大戦終結 直後の1945年に描かれた作品です。面長の清純な女性の顔で、とくに彼女の二つの 目は、聖なる愛を求める人間の魂と受難によって人間への愛を示すキリストの心が静かな輝きを放っている、と言われます。  オオイヌフグリを見るとき、ルオ―の「ヴェロニカ」をいつも思い起します。重い十字架を担いで喘いでいるイエスさまが道端で咲いている小さな花に慰められる、そのことと、名もない一人の女性に布を差し出されて汗を、血を拭うイエスさまが重なり合って、オオイヌフグリに「ヴェロニカ」という学名がついたのでしょうか。

★レントに入りました。昨年、自転車で大怪我をし、ご心配をおかけしたのが「灰の 」でした。皆さんのお祈りのお支えで、ふつうに歩けるようになりました。あらためて、あのとき自分が怪我をするだけで、どなたをも傷つけなかったことを安堵しています。それだけに、こんど乗って、万が一、人を怪我させたらという不安から、自転車に乗 ることができません。

★大きな苦しみの渦中におられるお一人お一人に十字架の主の支えを祈ります。